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イエスのミステリー

「イエスのミステリー」[8]を、興味深く読みました。 特に、年代と場所についての精密な研究はすばらしいと感じました。 同書で述べられている個々の説については、 聖書が絶対でないようにスィーリング博士も絶対でなく、 これから裏付け調査と議論を続けるべきです。 しかし、訳者あとがきで高尾氏が述べた次の言葉は、 まぎれない真実だと思います。
(日本語版447ページより) これらすべてを注意深くたどってみることなしに、 それこそ憶測や偏見や独断から 彼女の主張を無視したり拒否したりすることは、端的にフェアでない。 ある意味では、ある著名な学者が若干当惑気味に、 「彼女はわれわれに勉強させすぎる」(She makes us work too hard.)と 述べたことは正しい。

(日本語版452ページより) イエスが死を賭してでもその廃絶を志向した 差別や抑圧を、現実に廃絶しようとする具体的実践抜きに、 イエスについて語っても信じても、事柄の中心に届かないであろう。



naota 平成20年2月12日