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: どう読むか聖書 : キリスト教と私 : 宇宙からの帰還

バベルの塔

ここで、「バベルの塔」の伝説に話しを移します。 以前、私は、技術者として、「自分達はバベルの塔を作っていて、 いつか崩れるのではないか?」と、現代の科学技術に懐疑的になっていました。 しかし、神がバベルの塔を壊したのではなく、 人間の言葉が互いに通じなくなったために、 バベルの塔の建設に失敗したことに気付きました。 逆に、人類が言葉と国境を越えてひとつになれば、 人類は進化できるはずだと思いました。 かつて、戦争のために開発されたコンピューターと無線通信によって、 今、世界がひとつになろうとしています。 技術者は、今までのように、戦争に勝ち、 企業の売り上げを上げるために働くのではなく、 国境を越えて人類全体のために働くべきであり、 それをできるかどうか、神に試されています。 また、私個人の翻訳とコンピューターの仕事は、 言葉の壁を越えて人類をひとつにするために、 神に与えられた天命であると確信しています。

ところで、「バベルの塔」は、もはや、伝説ではなく、 技術的な可能性を議論する対象になりました。 簡単に説明しますと、人工衛星から長いロープを地上に降ろして、 それに取り付けたエレベーターで、人間が宇宙に上がることが可能です。 物理学者でSF作家でもあるフォワード氏は、文献[7]の第3章で、 その可能性を科学的具体的に議論しています。 バベルの塔を実際に建設するために必要な事は、 丈夫なロープを作るという20世紀中に解決できそうな小さな問題と、 世界各国が技術と予算を出し合うという大きな問題だけです。 全人類が力を合わせれば、私達の次の世代、 うまくいけば私達が生きている間にも、本当にバベルの塔ができるでしょう。

将来、世界の宗教者の代表が、宇宙ステーションに集まり、 衛星放送で平和を訴えれば、きっと、新しい人類の進化が始まるでしょう。



naota 平成20年2月12日